2025.02.01
– 香川県の空き家問題、解体で何が変わるのか?

香川県における空き家問題は、地域社会の大きな課題となっています。特に高松市や丸亀市などの都市部から離れた地域では、空き家の増加が著しく、防災・防犯面での懸念が広がっています。
空き家解体のメリットとして、まず治安の改善が挙げられます。管理されていない空き家は不審者の侵入や放火などの犯罪を誘発する可能性があります。解体により、このようなリスクを未然に防ぐことができます。
また、老朽化した空き家は台風や地震の際に倒壊の危険性があり、周辺住民の安全を脅かす存在です。実際に香川県内でも、強風による空き家の外壁剥離や瓦の飛散といった事例が報告されています。解体によって、このような物理的な危険性を排除することができます。
税制面でも変化が生じます。建物を解体して更地にすることで、住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が上がることがあります。しかし、土地の有効活用や売却がしやすくなるというメリットもあります。
解体後の土地活用については、駐車場やコインパーキング、菜園など、様々な選択肢があります。特に香川県では、空き家解体後の土地を地域のコミュニティスペースとして活用する事例も増えています。
ただし、解体には相応のコストがかかります。木造住宅の場合、規模にもよりますが、一般的に100万円から200万円程度の費用が必要です。この費用負担が、所有者の決断を躊躇させる要因となっています。
この課題に対して、香川県では空き家の解体に対する補助金制度を設けています。特定空家等の除却費用の一部を補助することで、所有者の経済的負担を軽減し、解体を促進しています。
解体だけでなく、空き家の利活用も重要な選択肢です。県内では、古民家を改修してカフェやゲストハウスとして再生させる取り組みも見られます。こうした事例は、地域の活性化にも貢献しています。
空き家問題の解決には、行政、所有者、地域住民が連携して取り組むことが不可欠です。解体は一つの有効な解決策ですが、それぞれの空き家の状況や立地条件に応じて、最適な対応を選択することが重要です。
空き家の放置は、地域全体の資産価値の低下にもつながります。解体による適切な対応は、地域の価値を維持し、より良い住環境の創出に寄与することができます。香川県の将来を見据えた空き家対策として、解体を含めた総合的な取り組みが求められています。